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火曜日, 3月 31, 2009

コレステロールを知る

体内には、中性脂肪、コレステロール、リン脂質、遊離脂肪酸の4つの脂質がある。

コレステロールは、細胞膜、体の働きを未調節するホルモン、脂肪の消化・吸収に欠かせない胆汁酸、神経の伝達に必要な神経繊維などの材料として必要。
中性脂肪は、生命維持活動に必要なエネルギーとして利用される。エネルギーとして放出されるときに、遊離脂肪酸に変わる。中性脂肪は、食べ物の中に含まれる脂肪だけでなく、糖質やアルコールからも合成され、すぐに使われない余剰分は、皮下脂肪などとして蓄えられる。

コレステロールや中性脂肪は、血液中を運ばれている時は、特殊な資質やタンパク質とくっついてリポタンパクと呼ばれる小さな粒子になる。このうち、コレステロールや中性脂肪の比率が高いものをLDL(悪玉)コレステロール、タンパク質やリン脂質の割合が高いものをHDL(善玉)コレステロールと呼ぶ。これらが過剰になると脂質異常症ということになるが、HDL減りとLDLが増えた状態を問題とみなすようになってきている。

血液中のコレステロールが多すぎると動脈硬化を進める。動脈硬化と葉、血管がかたくなり、しなやかさが失われた状態。そのコレステロールが血管の内側にこびりついてプラークというものを形成する。プラークとは酸化したコレステロールでできていて、やがてこぶ状になり血管の内側を狭くする。動脈硬化を進めるもう一つの要因にストレスがある。ストレスや交感神経の緊張によって血管はかたくなる。
血管の内側にできたプラークに、ストレスがかかったり、高血圧による圧力が加わったりして傷つくと、そこにさらに血小板が集まって、血栓ができやすくなる。これが、心筋梗塞や脳梗塞などの脳卒中を招くことがある。

LDLは活性酵素の働きで、酸化LDLに変わるが、白血球の一種であるマクロファージが異物と認識して、飲みこんで排除しようとする。しかし、酸化LDLが増えすぎると、マクロファージは飲み込み過ぎて破裂し、その残骸が血管壁にたまってプラークをつくり血液の流れを悪くする。これが、動脈硬化の原因。喫煙者、糖尿病や高血圧の人、閉経後の女性はこの症状が出やすい。

さらに活性酵素は、血管の細胞そのものを傷つけ、その止血のために血小板が集まって凝固し、血栓を作るが、血栓が動脈内で詰まると脳梗塞や心筋梗塞を引き起こすようになる。血栓の原料はフィブリンという特殊なたんぱく質の塊。それを溶かすプラスミンという酵素が体内には存在するが、通常プラスミノーゲンという物質の形で血液に含まれ、t-PAという酵素によってプラスミンとして働く。加齢やストレス、動脈硬化などで血管が弱まると、t-PAの量が減ってプラスミンも減少して、血栓と溶かしきれなくなる。

総コレステロール値が低すぎれば、がんや肺炎、脳卒中などが増えたり、セロトニンという物質を取り込めないためにうつ病や自殺が増える。高すぎると、動脈硬化が原因の心臓病が起こる。200-240mg/lくらいが良いという人がいる。

ちなみに空腹時血清脂質値としては
高LDL(悪玉)コレステロール血症  LDL値140mg/dl以上
低HDL(善玉)コレステロール血症  HDL値40mg/dl以下
高中性脂肪血症         中性脂肪 150mg/dl以上

LDLコレステロールの中に、粒子が小さい超悪玉があるという。小型で血管に入り込みやすく、酸化しやすいだけでなく、長く血液にとどまる。中性脂肪値が高くなると、この超悪玉が増える。

小型LDLを減らすコツは
  • よく体を動かす
  • 食物繊維の多い野菜やきのこ、海藻などをよくとる
  • 炭水化物や糖分を減らす。
  • 大豆食品をとる。
  • 青背の魚をとる。
  • ナッツ類をとる。

なお、メタボリックシンドロームは、コレステロールとは別の意味で、動脈硬化を進める危険性の高い病態で、その判断基準は以下のふたつの基準をみたすとそう診断される。

  1. 肥満チェック(お臍の高さの腹囲が、男性で85cm女性で90cm以上)
  2. 血清脂質チェック(中性脂肪値150mg/dl以上またはHDL40mg/dl未満)、血圧チェック(最高130mmHG以上または最小85mmHg以上)、血糖チェック(空腹時血糖値110mg/dl以上)のうち2つ以上が当てはまる

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